元ラジャダムヌン1位ダーウサミンの今

元ラジャダムヌン1位ダーウサミンの今

イングラムジムで大活躍したダーウサミン・イングラムジム。ラジャダムヌンスタジアムのバンタム級1位を長期間維持していました。WPMF世界スーパーフライ級王座も獲得しています。(2007年9月1日戴冠)

ラジャダムヌンスタジアムのバンタム王座にも挑戦しましたが判定負け(VS ガーイヤシット・チューワタナ)。殿堂スタジアムの王座獲得は成りませんでしたが、その後も激戦の連続でスタジアムを盛り上げ人気選手となりました。ピンチになってからが強く、逆転勝ちが多かったです。ハートの強さはピカイチでした。

こちらのYouTubeにアップされているVSノッパデッレック・チューワタナ戦は、しばらくの間、専門誌に何度も書かれるほどの逆転、逆転の好試合でした。4ラウンド終了時点で大差をつけていて迎えた最終ラウンド、ノッパデッレックの左フックでダウンを奪われて大ピンチに…フラフラになりながらもハイキックを効かせて形成逆転。10-8を10-9に縮め返し勝利しました。忘れられない一戦ですね。

NHK-BS、NHK総合でイングラムジムが特集され、ダーウサミンの試合までのドキュメンタリーが放映されたりもしました。(関口知宏のファーストジャパニーズ 2008年6月放送)

☝︎とにかく激闘王だったダーウサミン。大出血してからの大逆転劇など数多くの名勝負を残しました。

Photo by Hiroshi SODA

 

激戦続きからの影響もあり、両肩の脱臼癖に悩まされ続けて日本で二度も手術をしましたが、再発してしまいフェードアウト。イングラムジムでトレーナーとして勤務し、日本の岡山ジムにもトレーナーとして滞在した経験があります。その後、ベトナムに渡り現在に至ります。

現在はベトナム・ホーチミン在住で、ベトナム人女性と結ばれて一女のパパとなっています。

チャーンムエタイというムエタイチームを開設し、プライベートレッスンを中心にムエタイトレーナーとして忙しくしているそうです。

タイへ一時帰国の際に会い、現状報告というか、ベトナム国内でのムエタイ事情などを聞くことができました。

ベトナムはムエタイがブームとなっており、次々と新しいジムがオープンしているようです。ベトナム人富裕層やベトナム在住欧米人などからはプライベートレッスン依頼が多いそうです。一方で、そのムエタイ人気でビジネスチャンスを狙った在住タイ人がムエタイジムを運営するケースもあり、ムエタイ経験、試合経験のまったく無いタイ人により運営されている場合もあるそうです。こういったムエタイのネームバリューを商売利用だけするといった現象は、本場のタイ・バンコクでもありますが、他国でも起こっているのですね。何故か不思議なことにムエタイや格闘技ジムには、全く競技経験がなかったり、ほとんど選手としての活動実積が皆無の人間がジム運営、トレーナーをしているという、他競技ではけっして見られない現象がありますね…

フィットネスに特化し、選手育成など元から念頭においていない自称ムエタイジムが増えてきているのは、ムエタイ界にとって、由々しき問題だと思います。

☝︎かつてシンラパ・ムエタイ賞を受賞したダーウサミン(左端)。芸術的な難易度の高い技を駆使する選手に与えられる賞です。右端は今でもONE Championshipで活躍するノーンオー。

 

ダーウサミンのような選手実積もトレーナーとしての経験も積んでいるトレーナーが指導者として海外やタイ国内でのムエタイ普及に貢献していくのが本筋でしょう。

ダイエットや健康促進の為だけに練習するのは全く問題ありませんが、”ムエタイ”と名乗る以上はキチンとした経験を持ったトレーナーに指導されるべきですね。

ムエタイは直接殴り合う命に関わる危険な競技でもあります。試合経験もほぼ皆無なトレーナーでは何が危険なのかをよく理解できていないので、事故発生に繋がる可能性が高くなります。

各自の技量を見極められない経験値の低い指導者が、軽くとはいえマススパーリングなどの指導をしているかと思うとゾッとします…後遺症が残るような事故が発生してからでは遅いですからね。

ダーウサミンはそのファイトスタイルから非常に激しい試合を数多くこなしてきましたが、引退後は激戦の後遺症もなく立派に家庭を持って日常生活を送れています。

こういった元プロ選手らによって、正しい形でのムエタイ普及が促進されていってくれればと思います。

 

☝︎週刊ムエサヤームの中綴じポスターに掲載されたダーウサミン・イングラムジム。©️MUAYSIAM

■プロフィール

◻︎リングネーム: ダーウサミン・イングラムジム

◻︎本名: エカリン・トンクワン

◻︎出身地: トラン県

■獲得タイトル・受賞歴など

◻︎WPMF世界スーパーフライ級チャンピオン

◻︎ラジャダムヌンスタジアム・バンタム級1位

◻︎シンラパ・ムエタイ賞受賞

◻︎ルムピニースタジアム月間最激戦試合賞

 

TEXT by HIDEKI  SUZUKI

INGRAM  MUAY THAI  GYM

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