あの最強女子戦士が進退表明

あの最強女子戦士が進退表明

数々の実績を誇る、日本人女子選手、田中”暴君”藍選手が自身のブログにて引退を表明しました。

https://ameblo.jp/gyutan-bekobeko/entry-12880876719.html

 

イングラムジムでは、田中選手が所属するPCK、聖域プロモーション(鈴木芳喜代表) との協力体制のもと、所属選手のタイ遠征試合をアレンジしてきました。

やはりその中でも抜群の実績を誇ったのが田中 “暴君” 藍選手でした。敵地タイでの試合にも関わらず、WPMF世界王座戴冠、日本人女子として初となるムエタイの殿堂ラジャダムヌンスタジアムでのRWS (ラジャダムヌン ワールド シリーズ)への出場。これも日本人女子選手初となるタイ国プロムエタイ協会のタイトル挑戦など、数々の実績を残しました。

 

タイでの初の試合は、後にONEのスーパースター、ロッタン・ジットムアンノンと結婚するアイーダ・ルークサーイコンディン(タイ)と対戦し、体重差3kg強、相手ジム主催興行の完全アウェイながらも勝利した試合でした。

❶▪️2017年9月10日 ラム100タイボクシングスタジアム

🆚アイダー・ルークサーイコンディン 🇹🇭

※田中 “暴君” 藍の判定勝ち。

 

その後も定期的なタイ遠征を敢行していくことになる田中 “暴君” 藍選手。プーケットではPK-1世界タイトルマッチを行いKOで王座奪取。

❷▪️2017年12月4日プーケット・パトンスタジアム

🆚テーンモング・ポー.サクダー 🇹🇭

※田中 “暴君” 藍の2R TKO勝ちでPK-1王座を獲得。

 

勢いに乗り、アユタヤ でのビッグマッチ『ミラクルムエタイ』に出場。

❸▪️2018年3月16日アユタヤ ・ワットカンカーオ

🆚ペッテー・ソー.ソピス 🇹🇭

※田中 “暴君” 藍の4R TKO勝ち。

 

日本での試合を挟み、1年後に再びミラクルムエタイに出場し、適正より階級上でしたが、WPMF世界ライトフライ級チャンピオンに挑み判定負け。試合前の練習中のケガをおしての出場で、王座奪取とはならず。

❹▪️2019年3月16日アユタヤ ・ワットカンカーオ

🆚クラープダム・シットソーノー 🇹🇭

※王者の判定勝ち。

 

適正階級でのタイトルマッチのチャンスを得て、パタヤでのWPMF世界ピン級王座決定戦に挑み、粘るメージを突き放して判定勝利で王座戴冠。

❺▪️2019年8月11日 パタヤ・JFボクシングスタジアム

🆚メージ・ウムカットーンチェンマイジム 🇹🇭

※田中 “暴君” 藍が判定勝ちでWPMF世界ピン級王座を獲得。

その後、コロナ禍により海外渡航が困難なことからタイ遠征試合は約3年ほど不可能となりますが、日本でのWPMF世界ピン級王座の防衛戦などをこなし、2022年からタイ遠征試合を再開。

☝︎2022年6月にWPMF王座を防衛。(仙台アズテックミュージアム vs カオスアイ・ポー.ゴーグルア)

 

☝︎SUPER CHAMP初出場で、ノーンメイをKO。TV中継でインパクトを残した。

❻▪️2022年9月11日 SUPER CHAMP

 🆚ノーンメイ・ソー.ウッディジム 🇹🇭

※3R TKOで田中の勝利。

ムエタイ ビッグイベント出場、スーパーチャンプでの連続KO勝利と、対戦相手探しに困る状況にまでなりました。

☝︎SUPER CHAMPシリーズで、モンクッペットを2ラウンドにKOで下した一戦は高評価となり、45kgクラスでの最強を証明。

❼▪️2022年12月11日 SUPER CHAMP

🆚モンクッペット・カオラックムエタイ 🇹🇭

※2R TKOで田中の勝利。

モンクッペットはアウェイの日本遠征試合でも連戦連勝。VS田中”暴君”藍戦のみが唯一の敗戦。

2023年4月に仙台でWPMF王座2度目の王座防衛となると、いよいよ本格的に対戦相手不足となってきました。

モンクッペットをKOするなど、タイでの活躍から女子軽量級トップ選手とムエタイ関係者から認識され、対戦拒否するタイ選手ばかりでマッチメイクが困難に…

そんな中、タイ軽量級女子選手No.1とされるサネーガームとラジャダムヌンスタジアムでのマッチメイクが実現します。

☝︎日本人女子選手として初めて、殿堂ラジャダムヌンスタジアムに上がりました。

一進一退の攻防の末、パンチで追い込みますが、2分3ラウンド制のルールでは本領を発揮できず…しかし、試合動画を観た視聴者からは判定への疑問の声のコメントが大半に。

❽▪️2023年7月29日ラジャダムヌンスタジアム RWS

🆚サネーガーム・サックチャムニ 🇹🇭

※サネーガームの判定勝ち。

 

タイでの実績からタイ国プロムエタイ協会(PAT)のランキング入りを果たした田中に、外国人女子選手初のタイ国プロムエタイ協会のタイトルを獲得するチャンスが巡ってくる。

❾▪️2024年9月1日 バンコク・ワットパクボー

🆚ミントラー・ノー.アヌワットジム 🇹🇭

※ミントラーの判定勝ち(2-1)

ミントラーがタイ国プロムエタイ協会ピン級王座を獲得。

疑惑の判定でタイトル獲得とはならなかったものの、王座を争ったミントラーとはノンタイトルマッチにて仙台で再戦。(2024年11月17日) 終始ペースを握り大差の判定勝ちで現役プロムエタイ協会の王者を破りリベンジに成功。

このvsミントラー戦の試合が引退試合となりました。

☝︎一から田中を育て上げた鈴木芳喜PCK代表と。セコンドの鈴木芳喜代表の指示の声にハイ‼︎と返事をしながら闘う田中 “暴君” 藍選手が印象的でした。

©️Hirofumi SUGI

 

▪️タイでの戦績:9戦6勝(4KO)3敗

▪️全戦績:24戦20勝(9KO)4敗

▪️獲得タイトル及びランキング

WPMF世界ピン級チャンピオン

PK-1世界ピン級チャンピオン

聖域統一ピン級チャンピオン

タイ国プロムエタイ協会ピン級2位

WBCムエタイ世界ミニマム級3位

 

田中選手は日本人選手には一度も負けることなく現役生活にピリオドを打ちました。(4敗はすべてvsタイ人選手)

格闘技選手の引退後のセカンドキャリアが注目されがちですが、田中選手はプロ選手になる前から看護師としてのキャリアがあり、二刀流で両立してきた人物です。

今後は試合はしないものの、PCK所属選手の試合にはセコンドにつく姿が見られるかと思います。

ミドルネームの”暴君”に関してですが、由来は何なのかがハッキリとしていませんが、暴君という異名の由来を試合会場などで本人に直接聞いてみることも可能なのでは!?と思います。(聞く勇気が’ある方は…)

2つの職業を見事に両立してきた努力家の彼女の真摯な姿勢は、ジムの後輩たちにも受け継がれていくことでしょう。

 

 

 

 

Text by Hideki  SUZUKI

INGRAM  MUAY THAI  GYM

 

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