タイ国でのプロムエタイ、プロボクシング競技を統括する
タイ国プロムエタイ(ムエスポーツ)協会
(The Professional Boxing Association of Thailand / 略称:PAT)ですが、発足からは65年もの歴史を誇ります。そのプロムエタイ協会で30年以上の長きに渡って総裁を務めてきたソムチャート・ヂャルンワチャラウィット氏を今回紹介いたします。
1991年に先日紹介したクレオ・タニクン氏が亡くなってから総裁を引き継いで務めており、現在16期目となります。(昨年から1期4年の任期に変更。それまでは1期2年間の任期で毎期選挙により総裁選を実施)
現在はコロナ禍のため開催を見合わされていますが、毎年、協会、タイ国ムエスポーツ委員会、タイ国スポーツ省、スポーツ局共催のムエタイ競技興行を年間行事として開催してきました。
ムエタイ、ボクシング界で起こる様々な問題や課題を仲介機関としてクリアにしていく役目や、毎年のムエタイ振興事業やレフェリー講習会開催などが協会の主な任務です。
国家予算により運営されており、タイ国スポーツ局内に事務局があります。
協会独自のランキングや認定王座もあり、タイで唯一、”タイ国”の称号が付いたナショナルタイトルになります。
本来であればナショナルタイトルなので、タイ国籍のムエタイ選手間でのタイトルに限定されるかと思いますが、最近では外国人選手にもタイトル挑戦の機会を与えています。
☝︎タイ国プロムエタイ協会のチャンピオンベルト。
長きに渡ってムエタイ界を引率してきたソムチャート総裁の実績は他に類を見ません。
様々な問題があるムエタイ界ではありますが、”ムエタイ界の父”として日々、選手、ジム会長、引退選手らの福利厚生、業界の為に尽力してきました。
先日、海外遠征試合許可のためにはソムチャート総裁との面談が必須なので同行してきました。
タイ国で定められているムエ法(ポーローボームエ2542)に基いて申請しています。
正式なムエタイの海外遠征試合として認可されていれば、事故や後遺症が残る怪我などの場合には国からの補償対象となります。
きちんとした制度がありますので、関係者には厳守してもらいたいものです。
タイ国が誇る国技ムエタイ競技は、タイ国観光スポーツ省の管轄下となり、タイ国スポーツ局内ムエスポーツ委員会とタイ国プロムエタイ協会とで統括。
選手、トレーナー、ジム会長、プロモーター、スタジアムなどは全てムエスポーツ委員会での登録制となっています。
Text by HIDEKI SUZUKI
INGRAM MUAY THAI GYM
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